Burn設計哲学 - なぜネガティブを残さないのか
SNSの根本的問題
既存のSNSプラットフォームでは、ネガティブな投稿が永続的に残ることが大きな問題です。
個人への影響
- 投稿者自身が過去のネガティブに縛られる
- 「デジタルタトゥー」として後悔の種になる
- 感情的な投稿を削除できない不安
コミュニティへの影響
- 他のユーザーがネガティブに引っ張られる
- 全体の雰囲気が悪化する
- ポジティブな投稿が埋もれる
プラットフォームの病理
- 炎上の連鎖
- 承認欲求の歪み(ネガティブの方が反応を得やすい)
- メンタルヘルスへの悪影響
吐き出すことは有効、でも残すことは有害
Expressive Writing療法(James Pennebaker博士)によれば:
- ネガティブな感情を書き出すことでストレス軽減
- 不安症状やPTSD症状の改善
- 免疫機能の向上
しかし、これは「書くこと」の効果であって、「残すこと」ではありません。
むしろ、オープンな空間にネガティブが蓄積することは:
- コミュニティの雰囲気を悪化させる
- 新しいメンバーを遠ざける
- ネガティブの連鎖を生む
もちスラの解決策
「消える場所」と「残す場所」の明確な分離
| 空間 | ネガティブ | データ保持 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 🔥 焚き火広場 | ✅ OK | 5分で削除 | 吐き出すが残さない |
| 📔 個人Burn日記 | ✅ OK | 最大30日(ユーザーが選択) | プライベートなら治療的 |
| 💬 プラザ | ⚠️ 避ける | 24h-7日 | ポジティブ交流が主 |
| 📖 図書館 | ❌ NG | 永続(公開) | 他者へ良い影響を |
| 🏥 カルテ | ✅ OK | 永続(個人) | 自己理解のため |
原則
- 共有空間ではネガティブを残さない
- 個人空間でのみ記録
- ネガティブは決してオープンに永続化しない
焚き火広場の設計
完全な匿名性
- 名前非表示
- アバター非表示
- 投稿者を特定できない
5分で完全削除
// Cloud Function
export const burnExpiredMessages = functions
.pubsub.schedule('every 1 minutes')
.onRun(async () => {
const now = Timestamp.now();
const expired = await db.collection('burnMessages')
.where('expiresAt', '<=', now)
.get();
// 物理削除
const batch = db.batch();
expired.forEach(doc => batch.delete(doc.ref));
await batch.commit();
});
統計データのみ残す
個人カルテには内容を残さず、回数だけ:
interface DailyStats {
date: string;
burnedCount: number; // 今日燃やした数
// 内容は保存しない
}
個人Burn日記の役割
プライベート = 残してOK
- 完全に自分だけが見られる
- 長期的なパターン分析に使える
- 他人に影響を与えない
ユーザーが浄化タイミングを選択
強制的な削除ではなく、自分で手放すタイミングを選ぶ:
- 書き出す
- 何度か読み返す
- 客観視できた
- 「🔥 浄化する」ボタンを押す
- データ完全削除
心理学的メリット
自己決定理論(Self-Determination Theory):
- 自分で選択できることがメンタルヘルスに重要
- 能動的に手放す方が、より深いカタルシスを得られる
技術的実装
GDPR準拠の完全削除
async function completeBurn(messageId: string) {
// 1. Firestore物理削除
await db.collection('burnMessages').doc(messageId).delete();
// 2. キャッシュクリア
await cache.invalidate(`burn/${messageId}`);
// 3. バックアップから除外
// (設定でburnMessagesを除外)
// 4. ログにも残さない
}
哲学的考察
デジタル空間における「忘却の権利」
物理世界では、嫌なことは時間が経てば自然に忘れられます。
しかしデジタルでは、すべてが永遠に残ってしまう。
もちスラは、デジタルに「忘れる力」を取り戻す試みです。
儚さ(ephemerality)の美学
日本の美意識:
- 桜は散るから美しい
- 焚き火の炎は消えるから見つめる
- 雪は溶けるから尊い
ネガティブも、消えるから安心して出せる。
まとめ
なぜネガティブを残さないのか
- コミュニティの健全性を保つため
- 個人の成長を妨げないため
- 安全な吐き出しの場を提供するため
- デジタルに儚さを取り戻すため
実現する世界
- ユーザーは安全に感情を吐き出せる
- コミュニティは健全に保たれる
- 個人は長期的に成長できる
すべての利害関係者にとって、Win-Win-Win の設計です。🌸
